朝起きたとき顎が疲れている、口を開けるとカクカク音がする、家族に歯ぎしりを指摘された経験はありませんか。これらの症状は顎関節症や歯ぎしりのサインかもしれません。放っておくと症状が悪化したり、歯が欠けてしまったりする場合もあります。当院では、マイクロスコープを使った精密な診断と、ボトックス治療をはじめとしたさまざまな治療法で、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
顎関節症とは

顎関節症ってどんな病気?
顎関節症は、あごの関節や周りの筋肉に問題が起きる病気です。口を開け閉めするときに痛みがあったり、音がしたり、大きく口を開けなくなったりします。日本人の2人に1人は一生のうちに何らかの症状を経験するといわれており、特に20~30代の女性によく見られます。
こんな症状が出ます
顎関節症になると、次のような症状が現れます。口を開けるときに痛むのは、あごの関節や筋肉が痛んで、食事や会話がつらくなるためです。また、口を開け閉めするときに「カクカク」「ジャリジャリ」といった音がする場合もあります。さらに大きく口を開けられなくなり、指3本分(約4cm)以上開かない場合は要注意です。朝起きたときや食事の後に、あごが重だるく疲れた感じがするのも特徴的な症状の一つです。
歯ぎしりとは
歯ぎしりってなに?
歯ぎしりは、眠っている間に無意識に歯を強くかみ合わせたり、こすり合わせたりする症状です。本人は気づいていない場合が多いのですが、歯やあごに大きな負担をかけています。大人の約8~16%の人に見られ、ストレスが大きな原因の一つとされています。
歯ぎしりの3つのタイプ
歯ぎしりには、次の3つの種類があります。まず、上下の歯をこすり合わせて「ギリギリ」という音を出すタイプで、一番よく見られる歯ぎしりです。次に、歯を強くかみしめるタイプがあり、音がしないため周りの人に気づかれにくいのが特徴です。最後に、上下の歯を連続して「カチカチ」と噛み合わせるタイプがあります。
顎関節症や歯ぎしりでお困りの方
次のような症状でお困りの方は、
お気軽に当院までご相談ください。
- 口を開けるときに痛みや音がする
- 口が大きく開かない
- 朝起きたときにあごが疲れている
- 家族に歯ぎしりを指摘された
- 歯が欠けたり削れたりしている
- 頭痛や肩こりがよくある
- ほっぺたの内側にかんだ跡がある
- 舌に歯の跡がついている
顎関節症の原因
顎関節症は一つの原因だけでなく、いくつかの要因が重なって起こる場合が多い病気です。かみ合わせがよくない場合、歯並びやかみ合わせに問題があるため、あごの関節に負担がかかりやすくなります。ストレスも大きな要因で、心配ごとや緊張がある際に、無意識に歯を食いしばったり、あご周りの筋肉が硬くなったりします。
普段の生活習慣も影響します。ほおづえをつく、うつぶせで寝る、片方の歯だけで噛むなどの習慣があごに負担をかけるのです。また、事故や打撲などで、あごの関節を直接傷めてしまう場合もあります。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因は完全にはわかっていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。心配ごとや緊張が、歯ぎしりの一番大きな原因だといわれています。歯並びやかみ合わせに問題がある場合も、歯ぎしりが起こりやすくなる要因です。
眠りの質がよくない際や、睡眠時無呼吸症候群などがある場合は歯ぎしりしやすくなる傾向もわかっています。タバコ、お酒、コーヒーの飲みすぎが歯ぎしりを悪化させるケースもあります。
当院の治療の特徴
ボトックス治療で根本から改善
当院では、従来の治療に加えてボトックス治療を行っています。ボトックス治療は、緊張しすぎた筋肉にボツリヌストキシンというお薬を注射して、筋肉の過度な緊張を和らげる治療法です。歯ぎしりや食いしばりで強く働きすぎている咀嚼筋(ものを噛むときに使う筋肉)に直接働きかけ、筋肉の力をコントロールします。
注射をしてから数日で変化を感じ始め、約3~6ヶ月効果が続きます。大きな手術をしないので、体への負担がとても少なくて済みます。筋肉の緊張を直接ゆるめるので、症状の根本的な改善が期待できます。
特に就寝中の歯ぎしりや日中の食いしばりが強い方、マウスピースだけでは症状が改善しない方に有効な治療法です。注射による痛みも軽微で、治療後すぐに普段通りの生活を送れます。
マイクロスコープで細かくチェック
当院では、マイクロスコープという特殊な顕微鏡を使って、お口の中を詳しく調べます。普通の目では見えない小さな歯の削れ具合やかみ合わせの問題まで、しっかりと確認できます。これにより、一人ひとりに合った治療計画を立てられます。
様々な角度から治療をサポート
顎関節症や歯ぎしりは、いくつかの原因が重なって起こる場合が多い病気です。そのため当院では、歯の治療だけでなく、生活習慣の見直しやストレスとの付き合い方についてもアドバイスを行い、トータルでお手伝いしています。
治療を受けるメリット
痛みがらくになる
しっかりとした治療を受けると、あごの痛みや口を開けるときの不快感がずいぶんらくになります。食事や会話が今よりもっと楽しくなる可能性があります。
歯を守れる
歯ぎしりで歯が削れたり欠けたりするのを防げて、大切な歯を長持ちさせられます。
体全体の調子がよくなる
顎関節症や歯ぎしりが原因で起こる頭痛、肩こり、首の痛みなどがよくなる可能性があります。
ぐっすり眠れるようになる
歯ぎしりがおさまると、夜中に目が覚める頻度が少なくなり、ぐっすりと眠れるようになる可能性があります。
きれいな歯を保てる
歯が削れたり欠けたりするのを防げると、美しい歯並びと口元をキープできます。
治療方法

ボトックス治療
当院の特色ある治療法です。緊張しすぎた筋肉にお薬を注射して、筋肉の力をやわらげます。治療時間は短く、普段の生活にほとんど影響しません。
マウスピース(ナイトガード)
寝るときに装着するマウスピース型の装置で、歯ぎしりや食いしばりから歯を守ります。あごの関節への負担も軽くしてくれます。
かみ合わせの調整
歯のかみ合わせを少しずつ調整すると、あごの関節にかかる負担を減らし、症状の改善を目指します。
生活のアドバイス
普段の姿勢や習慣を見直すと、症状の根本的な原因を改善していけます。
リハビリテーション
あごの関節や筋肉のストレッチやマッサージなどを行って、動きをよくしていきます。
当院での治療の流れ

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STEP01
詳しくお話を聞かせていただきます
どのような症状があるか、いつ頃から気になっているか、普段の生活習慣などを詳しくお聞きします。気になる点があれば、どんな小さな内容でもお気軽にお話しください。
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STEP02
しっかりと検査をします
お口の中を詳しく調べたり、必要に応じてレントゲンを撮ったりします。マイクロスコープを使って、普通の目では見えない細かい部分まで丁寧にチェックします。
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STEP03
検査結果をわかりやすくご説明します
検査の結果をもとに、どのような状態なのか、どんな治療が必要かをわかりやすくご説明します。治療の内容や期間、費用についても詳しくお話しし、納得していただいてから治療を始めます。
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STEP04
一人ひとりに合った治療を行います
決めた治療計画に沿って治療を始めます。ボトックス治療、マウスピース、かみ合わせの調整など、一人ひとりに合った治療法を組み合わせて行います。
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STEP05
定期的にチェックします
治療後は定期的に様子を見させていただき、症状がどれくらいよくなっているかを確認します。必要に応じて治療内容を調整し、長期的な改善を目指します。
普段からできる予防
ストレスと上手に付き合う
普段の生活でストレスを減らすのが、顎関節症や歯ぎしりの予防にはとても大切です。適度な運動や好きな時間を作って、リラックスできる時間を持ちましょう。
正しい姿勢を心がける
デスクワークをするときの姿勢や、ほおづえをつく癖などに気をつけて、あごの関節に負担をかけない姿勢を意識しましょう。
両方の歯で噛む習慣をつける
片方の歯だけで噛んだり、硬いものを無理に噛んだりするのは避けて、左右の歯でバランスよく噛むようにしましょう。
ぐっすり眠れる効果も期待
ぐっすり眠ると歯ぎしりを減らす効果が期待できます。寝具や寝室の環境を整えて、規則正しい睡眠を心がけましょう。
顎関節症や歯ぎしりでお困りの方は、症状が悪くなる前に早めに当院にご相談ください。一人ひとりの症状に合わせた治療を行い、快適な毎日をお手伝いいたします。